言問橋から視線を隅田川の下流に向けると、古めかしい東武伊勢崎線の鉄橋が見える。鉄橋から浅草駅までは急カーブなので電車はゆっくりと走っている。東武浅草駅は1931年に建てられた7階建て駅ビルの2階部分にあり、その他は開業当時から松屋デパートがテナントとして営業している。外壁は新しく改装されているので往時の外観を偲ばせるのは、わずかに煙突のある壁面だけになっている。
1954年にサミュエル・フラーが45日間の日本ロケを敢行して撮った「東京暗黒街・竹の家」のクライマックス・シーンが、松屋デパートの屋上遊園地だった。屋上の建物の上に設置されていた回転遊戯機がド迫力だ。当時のガキ共は東京を一望できるパノラミックな遊具でさぞかし恐怖の快楽を味わったことだろう。
現在の屋上遊園地はダイナミックな回転機械はなく、ごくごく安全でまったりとした遊具しかない。夜はビア・ガーデンになるので、裸電球がいたる所に吊るされていて、いよいよ場末感を強くしている。
さらに旅は続く・・・





