
今回の台湾旅行は、これまでに見た多くの台湾映画に触発された部分が少なくない。 特に侯孝賢の作品を抜きにして台湾映画を語ることはできない。
「恋恋風塵」は侯孝賢初期の傑作、胸が締め付けられるような切ない青春映画である。その舞台になったのが台北北部にある鉱山の町九份周辺と台北市だ。この写真は冒頭学校帰りの主人公二人が列車を降りる十份の駅近辺の店先。駅舎を通らずにそのまま線路に降りて歩いていくと、線路の脇に店が軒を並べている。その鉄路を肩を並べて幼なじみの恋人たちが歩いていく慎ましやかな場面は、これから起こる波乱の幕開きとしてはまさにうってつけの名場面だ。